玄米と沢庵

11月始めに大根を干して、くの字に曲がるほどに干しあがったら、糠と塩と昆布と唐辛子と、甘味付けに乾燥した柿の皮と林檎の皮を一緒に漬け込んで、年末に最初の1本を食べてみる時はちょっとドキドキ。漬かりの浅い沢庵はまだ大根の辛みが残っていて「若い」感じがするけれど、これがまたその時だけの味わいでいいのです。
そして1月半ばから厳冬期は旨味が増してなんて美味しいこと!寒さが緩む頃になると、今度は酸っぱ味が出てきて、それはそれでまた美味しく、そのくらいの沢庵の方が好きだという人も結構いるのですね。
そしてまたこの沢庵が玄米と合うのです。ちょっと薄めに切った沢庵を玄米にのっけて、ひと箸を頬張る。あぁなんと滋味なるかな。至福。
安価で、生でも煮物でもいろいろに調理ができて、なくてはならない野菜。いつもあると思っていた大根が、実は去年は入手困難だったのです。夏の暑さが原因の不作というか、腐れが出たみたいなのです。結局いつも買っているところではなくて、石狩の「とれのさと」というところでどうにか40本を確保しました。
生きていると思いもよらないことに出くわすものです。
今夜の音楽はVictor Jaraの『Te Recuerdo Amanda』仕事の合間、たった5分しか会えないけれどアマンダは恋人に会いに行く。雨に塗れても、そんなのは平気。その5分が永遠となる。厳しい労働条件の人々の暮らしを歌ったビクトル・ハラは軍事政権によって虐殺されて、去年が没後50年。詞もメロディも美しいです。
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